一般知識(1)
ビルの電気設備
普通のビルには大体次の様な設備があり、ほとんどの設備に盤が用いられる。
・電気(動力、電灯) :受変電設備、制御盤、分電盤
・水(給水、排水) :厨房、洗濯、飲料水、空調用水、雨水、下水、消火栓
・空調(吸気、排気) :換気 冷暖房、燃料
・移動 :エレベータ、エスカレータ、ダムウェーター
・情報 :放送、通信、共聴設備、避難誘導
・保安 :防犯カメラ、電気施錠
・防災 :発電、消火栓、誘導灯、非常照明、排煙ファン、防火扉
・通信 :電話、Fax、ネットワーク

単線接続図(スケルトン:SkeletonDiagram)
実際は何本かの電線で構成される主回路などを、回路ごとに1本の線で表したものである。
制御盤の例を下記に示す。

電気シンボル
電気シンボルはJIS規格(205項参照)がある。電気シンボルの改正はかなり前であるが、新しいシンボルに変えるためには時間と手間が掛かるためか昔の電気シンボルも依然として使用されている。


盤の種類
ビルなどの電気設備に使用される盤は次の様に分類される。 ※他の分類もあるが省略する。
保護構造 屋内/屋外 開放/閉鎖 など
保護の程度はIP〇〇〇〇で表す(JISC0920参照)(本HPの205項)
IPに続く第一数字は、固形物の侵入に対する保護の程度(該当しない場合は文字X:数値が大きいほど厳しい)
第二数字は、水の浸入に対する保護の程度(該当しない場合は文字X:数値が大きいほど厳しい)
第三、第四の文字は付加文字、補助文字である。
電圧 高圧/低圧
用途 動力/電灯 発電機 エレベーター 冷凍機 等
非常用・耐熱型
目的 配電盤: 電気を配ることを主目的としたもので大容量の物が多い。
制御盤: 機器を制御することを主目的としたもの。
分電盤: 配電盤から受けた電気をさらに細かく配ることを目的としたもので電灯回路などに多い。
監視盤(監視制御盤、監視制御装置):配電機器や負荷機器(ポンプ、ファン、その他)の状態を一箇所で監視し制御するもの。
操作盤: 機器の操作を目的にしたもの。
端子盤: 電話、火災報知器、放送などの配線を接続するためのもの。
開閉器箱:手元開閉器を収納したもの。
※配電盤には保護構造が厳重なスイッチギヤ、コントロールギヤがある。
※制御盤には回路ごとに交換可能なコントロールセンタがある。
※キュービクルとは小部屋(Cubicle)を語源とする。古くは変電設備を室内に裸で配置したが、床面積が大きくなる為、これらを鉄箱にコンパクトに収めたことからキュービクルと呼ばれるようになった。
尚、キュービクルであってキューピクルではない(piでなく biである)
※キュービクル式高圧受電設備はJIS規格がある。(205項参照)
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