一般知識(3)

目次

電気のおさらい(1)

  1.電気と磁気、電界と力

  2.皮相電力、有効電力、無効電力、力率

  3.電磁的平衡

  4.電磁誘導とうず電流、ヒステリシス損

  5.発電

  6.交流の波高値、平均値、実効値

  7.電気の単位

  8.単位に付ける倍数

  9.温度

  10.導体、半導体、絶縁体

電気のおさらい(2)

  11.抵抗器(レジスタ)

  12.コンデンサ(キャパシタ)

  13.コイル(インダクタ)

  14.相と線(交流の場合)

  15.発電、送電、配電

  16.電圧の区分

  17.電圧降下

電気のおさらい(3)

  21.変圧器の原理と分類

  22.三相変圧器と単相変圧器の構造の違い

  23.変圧器の定格容量

  24.変圧器の並列接続(並行運転)

  25.変圧器の直列接続

  26.単相変圧器の三相接続

  27.変圧器の電圧変動率

  28.計器用変成器

  29.交流モーターの特性

電気のおさらい(4)

  31.ダイオードと整流器

  32.整流回路

  33.トランジスタ

  34.サイリスタ

  35.トライアック

  36.光制御素子

  37.表示灯

  38.論理記号、論理式とシーケンス

  39.2進数、2進化16進、2進化10進数

一般知識(1)

  41.ビルの電気設備

  42.単線接続図(スケルトン:Skeleton Diagram)

  43.電気シンボル

  44.盤の種類

一般知識(2)

  51.操作、表示器具の方向および色と配列

  52.器具の取り付け方向

  53.絶縁距離

  54.絶縁保護板とアークスペース

  55.電線と器具端子の接続

  56.相配列

  57.相色別

一般知識(3)

  61.導体の許容電流はどのようにして決められるか

  62.電線の並列接続

  63.電線サイズとガタースペース

  64.ねじ

一般知識(4)

  71.アンカーボルトの種類

  72.吊りボルト(アイボルト)

  73.板金

  74.メッキ

  75.塗装

電路・負荷保護(1)

  81.電線路の保護(電線路:電線、ケーブルなど)

  82.モーター保護(交流誘導電動機)

  83.漏電保護

  84.制御回路の保護

電路・負荷保護(2)

  91.低圧幹線の過電流保護器の施設

  92.モーター保護

  93.電動機の主幹ブレーカー容量

  94.電動機回路の配線

  95.三相交流モーターのスターデルタ始動

導体の許容電流はどのようにして決められるか

導体には 抵抗×電流の二乗 の熱が発生する。

  ・導体の抵抗は導体の断面積が大きいと小さく断面積が小さいと大きくなる。

②導体で発生した熱は、外部へ放散される。

  ・導体温度と外側の空気との温度差が大きいほど放熱が大きい。

  ・導体の表面積が大きいほど放熱が良い。

  ・他の電線やダクトに囲まれていると、放熱は悪くなる。


③導体の温度は上の①と②がつりあうまで上昇する。

  ・電流が大きければ導体を太くしなければならない。

  ・大きな電流を流す導体ほど、放熱が良くなるようにする必要がある。

  ・盤内の温度が上がり過ぎないようにする。

  ※被覆の色が濃いものほど放熱が良い。


絶縁電線では絶縁体の許容温度、周囲温度、発熱量と放熱量で定まる。

◎銅材の場合は、導体の温度、接続部の温度と周囲温度、発熱量と放熱量で定まる。

 ・許容電流の計算結果は「技術資料(4) - 171.電線の許容電流」を参照

 参考)交流の場合は周波数や電流間に働く力によって電流密度にムラが発生し見かけの抵抗が上昇する現象がある。

電線の並列接続

基本的に並列接続は行うべきではないが、どうしても並列にする必要がある場合は次のような条件が必要である。

◎電流が不平衡にならないようにそれぞれの電線インピーダンスが同じ値であること。

◎各線は多少の不平衡になっても問題がないような余裕のある電流容量が必要。

 下記に参考となる規定を抜粋、解釈したものを示す。(ここでは、ろうづけによる接続は省略)

①内線規定(1335-9)(規定か、推奨か、勧告か、は、各年度の規定を参照すること。2000年度版では勧告であり義務ではない)

   ・銅50Sq、アルミ80Sq以上であること。

   ・各線は同一導体、同一太さ、同一長さで下記のいずれかの方法による。

     a) 各線を同一のターミナルラグに接続する(※同極の電線を全部、1個のターミナルラグにまとめて圧着)

     b) 線ごとにターミナルラグを使う場合は、同一の導体に2個以上のリベット又は2個以上のねじで確実に接続する。

     c) その他電流の不均衡をきたさないこと。

   ・ターミナルラグは同一の導体に2本以上のリベット又はネジで接続する。


②公共建築工事標準仕様書(平成16年版)

・350Aを超え600A以下であって表1.6.4(下記参照)に限る。

・2本以下であること。

・導体は同一太さ、同一長さのものであること。


  ・表1.6.4(抜粋)
 
   300A超400A以下 :150Sq以上2本(参考600A相当)

   400A超500A以下 :150Sq以上2本(参考600A相当)

   500A超600A以下 :200Sq以上2本(700A相当)


  備考(筆者の見解)

  ※一般の盤では、5~10%程度の余裕を持った同一の電線を使用すべきである。

  ※導体のメッキの有無でも抵抗が異なるので注意すること。

  ※ブスバーの並列使用時は一定の間隔でそれぞれの銅帯を銅片で接続する。

電線サイズとガタースペース

ガタースペースとは盤内で、外部電線を接続するための空間を言う。

・上から引き込み




・下から引き込み


※   1.JIS キャビネット形分電盤および公共建築設備工事標準図電気設備編(平成16年版)より

    2.( )内は公共建築設備工事標準図電気設備編の分電盤のニュートラルスイッチが付かない場合の値

    3.電力ケーブルの屈曲半径は直径の8倍以上(内径)

    4.IVの屈曲半径は、仕上り外径に対して6倍から8倍以上(太物ほど大きくする)

    5.公共建築設備工事標準図電気設備編では、電線、ケーブルはHIV以外はEM-○○タイプに変更されている。

ねじ

①おもな「ねじ」の種類(ねじそのもの)
名称記号単位ネジピッチ種類備考
メートルMmmピッチ並目、細目ISO:日本の標準ネジ
ユニファイインチ山数/in並目、細目ISO:日本ではまれ
ウィットW並目、細目英国系:建築に多い
管用ネジPT呼びガス管呼び≒内径
厚鋼電線管ネジCTG厚鋼電線管〃  :JIS
薄鋼電線管ネジCTG薄鋼電線管呼び≒外径:JIS
メートルMmmピッチ溶融亜鉛メッキJEM1433,1434
※普通ピッチ=並目(なみめ) 細かいピッチ= 細目(さいめ) 1インチ(in)=25.4mm

※管用ねじは通常テーパー(1/16)が付く。機械構造材の場合、テーパーのない平行ネジを使用することがある。

※ISOのインチ系ネジはユニファイネジであるが国内の盤業界ではあまり使用されていない。

※下穴にタップ加工をしないタッピンネジもある。

※自転車、航空機、自動車、ミシンなどは別規格のネジがある。



②ネジの等級

雄ねじの等級と雌ねじの等級があり、ねじ径、ねじ山とピッチの精密さで数十種類になる。

精密度とはめ合いで数十種類あるが、盤などでは2級ねじを用いる。精密度は用途によって選択する
級別1級2級3級
精密度精密普通
用途精密な用途一般用ねじ建築工事など
③ネジの下穴と最小板厚(メートル並目ネジ:2級)
※最小板厚はM6以下は2山以上、M8以上は呼び径の40%以上で計算(JIS)

:切削タップのキりによる下穴加工後の面取りを見込む(M6以下0.5mm M8以上1mm)

:転造はNCなどによる打ち抜き後、NCによる転造タップ加工で、面取りは見込んでいない。

※下穴は切削タップの場合を示す(転造タップの場合はこれより大きい下穴になる)

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